eNPS(従業員ネットプロモータースコア)とは
eNPS(Employee Net Promoter Score:従業員ネットプロモータースコア)とは、従業員が自分の勤めている会社を、友人や知人に「どれくらい勧めたいか」を数値で測る指標です。
これは、顧客ロイヤルティを測る「NPS(ネットプロモータースコア) [blocked]」の考え方を、従業員向けに応用したものです。具体的には、「あなたは、この会社を友人や知人にどの程度勧めたいと思いますか?」という質問に対し、0点(全く勧めない)から10点(強く勧めたい)までの11段階で回答してもらいます。
回答は以下の3つのグループに分けられます。
- 推奨者(Promoters):9点または10点と回答した従業員。会社に強い愛着を持ち、積極的に推奨する可能性が高いです。
- 中立者(Passives):7点または8点と回答した従業員。現状に不満はないものの、積極的に推奨するほどではない状態です。
- 批判者(Detractors):0点から6点と回答した従業員。会社に不満を持っており、ネガティブな情報を広める可能性があります。
eNPSスコアは、「推奨者の割合(%)-批判者の割合(%)」で算出されます。このスコアは-100から+100の範囲で表され、数値が高いほど従業員のエンゲージメント [blocked]やロイヤルティが高いと判断されます。
なぜ今、話題なの?
eNPSが注目される背景には、労働市場の変化や企業の持続的成長への意識の高まりがあります。
近年、少子高齢化による労働人口の減少や、働き方の多様化が進んでいます。企業にとって、優秀な人材の確保と定着は喫緊の課題です。従業員が会社に満足し、積極的に貢献したいと感じる「従業員エンゲージメント」を高めることが、企業の競争力維持に不可欠とされています。
eNPSは、従業員エンゲージメントを測る指標の一つとして、そのシンプルさと分かりやすさから広く活用されています。従業員の会社への推奨度を測ることで、離職のリスクを早期に把握したり、従業員体験(EX:Employee Experience)の改善点を見つけたりするのに役立ちます。
また、従業員が会社を推奨することは、新たな人材の採用活動においてもポジティブな影響を与えます。従業員が「この会社で働くのは良いことだ」と発信することで、企業のブランドイメージが向上し、優秀な人材が集まりやすくなる効果も期待されます。
どこで使われている?
eNPSは、業種や企業規模を問わず、世界中の多くの企業で導入されています。特に、従業員エンゲージメントや企業文化の改善に力を入れている企業で活用されています。
例えば、IT企業やサービス業など、人材が競争力の源泉となる業界では、eNPSを定期的に測定し、従業員の声を経営戦略に反映させる取り組みが見られます。従業員からのフィードバックを基に、働きやすい環境づくりやキャリア開発支援、福利厚生の改善などが行われます。
また、eNPSは一度測定して終わりではなく、継続的に測定し、その変化を追跡することが重要です。これにより、施策の効果を検証したり、新たな課題を早期に発見したりすることが可能になります。従業員満足度調査やエンゲージメントサーベイ [blocked]の一環として、eNPSが組み込まれることも一般的です。
覚えておくポイント
eNPSを理解し、活用する上で覚えておくべきポイントは以下の通りです。
- シンプルで分かりやすい指標であること:たった一つの質問で、従業員の会社へのロイヤルティを測ることができます。
- 従業員エンゲージメントのバロメーターになること:eNPSが高い企業は、一般的に従業員のモチベーションが高く、生産性も高い傾向にあります。
- 改善のための具体的なヒントが得られること:スコアだけでなく、なぜその点数をつけたのかという自由記述のコメントを収集することで、具体的な改善点が見えてきます。
- 継続的な測定と改善が重要であること:一度の測定だけでなく、定期的にeNPSを測定し、その変化を追跡することで、施策の効果を検証し、持続的な改善サイクルを回すことができます。
- 他の指標と組み合わせて活用すること:eNPSはあくまで一つの指標です。離職率、定着率、従業員満足度など、他の人事関連データと合わせて分析することで、より多角的な視点から組織の状態を把握できます。
eNPSは、従業員と企業の関係性を良好に保ち、企業の成長を支えるための有効なツールとして活用されています。