カスタマーエフォートスコア(CES)とは
カスタマーエフォートスコア(CES:Customer Effort Score)とは、顧客が企業とのやり取りにおいて、どれほどの「努力」や「手間」を感じたかを数値で測る指標です。具体的には、「この問題を解決するために、あなたはどれくらいの労力を費やしましたか?」といった質問に対し、1(非常に低い労力)から7(非常に高い労力)などの段階で顧客に評価してもらうことで算出されます。
顧客が商品を購入したり、問い合わせをして問題を解決したりする際に、手続きが複雑だったり、たらい回しにされたりすると、顧客は「面倒だ」「疲れる」と感じます。CESは、このような顧客の「労力」を可視化し、その負担を軽減することが顧客満足度やロイヤルティの向上につながるという考えに基づいています。顧客は、手間なくスムーズにサービスを利用できることを重視する傾向があるため、CESは顧客体験(CX)を改善するための重要な指標として活用されています。
なぜ今、話題なの?
CESが注目されるようになった背景には、顧客満足度(CSAT)やNPS(ネットプロモータースコア) [blocked]といった従来の指標だけでは捉えきれない、顧客の行動心理が明らかになってきたことがあります。
過去の研究では、顧客が企業に対して「期待以上の体験」を求めているのではなく、「期待通りの体験」を「手間なく」得られることを重視しているということが示されています。つまり、顧客を「驚かせる」ことよりも、顧客の「不便」を解消し、「労力」を減らすことの方が、顧客の離反を防ぎ、長期的な関係を築く上で効果的であるという考え方が広まりました。
デジタル化が進み、多くの企業がオンラインでのサービス提供を強化する中で、顧客がストレスなくサービスを利用できるかどうかが、競争優位性を確立する上で不可欠となっています。手続きの簡素化や問い合わせ対応の効率化など、顧客の労力を最小限に抑える取り組みが、顧客ロイヤルティの向上に直結すると認識され、CESはその有効な評価ツールとして注目されています。
どこで使われている?
CESは、主に顧客サービス部門やカスタマーサポート、製品開発、マーケティングなど、顧客との接点を持つ様々な部署で活用されています。
顧客サービス・サポート
- 問い合わせ対応後や問題解決後に「今回の問題解決は簡単でしたか?」といったアンケートを実施し、顧客の労力を測定します。
- スコアが低い(労力が高い)場合、対応プロセスやFAQの内容を見直すことで、顧客の自己解決を促したり、サポート担当者の対応品質を改善したりします。
製品・サービス開発
- 新機能の導入時や既存機能の改善時に、ユーザーテストの一環としてCESを測定します。
- 例えば、オンラインでの申し込み手続きやアカウント登録プロセスなど、顧客が操作する際の負担を評価し、UI/UXの改善に役立てます。
マーケティング
- 顧客が購入に至るまでのプロセス(ウェブサイトでの情報収集、カートへの追加、決済など)において、どこでつまずいているかをCESで分析します。
- 顧客の労力が高い部分を特定し、ウェブサイトのナビゲーション改善や購入フローの簡素化などを行うことで、コンバージョン率の向上を目指します。
CESは、顧客がどのような状況で、どれくらいの労力を感じているのかを具体的に把握できるため、企業は顧客体験のボトルネックを特定し、具体的な改善策を講じることが可能になります。
覚えておくポイント
- 顧客の「手間」を測る指標: CESは、顧客が企業とのやり取りでどれだけ労力を費やしたかを数値化します。労力が少ないほど良いとされます。
- 顧客の離反防止に効果的: 顧客は「期待以上の体験」よりも「手間なくスムーズな体験」を重視する傾向があるため、CESの改善は顧客の離反防止に役立ちます。
- 顧客体験改善の具体的な手がかり: 顧客がどのプロセスで労力を感じているかを特定できるため、具体的な改善策を立てやすく、顧客満足度やロイヤルティ向上に貢献します。
- 質問はシンプルに: 一般的に「この問題を解決するために、あなたはどれくらいの労力を費やしましたか?」のように、顧客が直感的に答えやすい質問形式が用いられます。