サーバーレスとは
サーバーレスとは、「サーバーがない」という意味ではありません。プログラムを動かすために必要なコンピューター(サーバー)が、裏側でちゃんと動いているものの、その管理やメンテナンスを私たちが直接行う必要がない仕組みのことです。例えるなら、電気を使うときに発電所の管理を気にしないのと同じです。私たちはスイッチを押せば電気が使えるように、サーバーレスではプログラムを動かしたいときに、その準備や片付けを意識せず利用できます。
身近な例で言うと、水道を使うようなものです。水道の蛇口をひねれば水が出ますが、水道管のどこにポンプがあるか、貯水池の管理はどうなっているか、といったことは気にしませんよね。サーバーレスも同じで、プログラムを動かす「蛇口」をひねるだけで、裏側の「水道設備」(サーバー)の管理は、クラウドサービスを提供している会社(AmazonやGoogleなど)が全部やってくれる、というイメージです。
なぜ今、話題なの?
サーバーレスが今、注目されているのは、インターネットを使ったサービスがどんどん増え、その開発スピードやコスト効率が非常に重要になっているからです。従来のやり方だと、プログラムを動かすためのサーバーを常に稼働させ、その維持管理に手間や費用がかかっていました。しかし、サーバーレスなら、プログラムが動いている間だけ費用が発生し、使っていない時間は費用がかかりません。これにより、特にアクセスが集中する時間帯とそうでない時間帯があるサービスでは、大幅なコスト削減につながります。
また、サーバーの管理を任せられることで、開発者はプログラムの中身、つまり「どんな機能を作るか」という本質的な部分に集中できます。これにより、新しいサービスや機能をより早く世に出せるようになり、ビジネスの競争力を高めることにもつながるため、多くの企業が導入を進めているのです。
どこで使われている?
サーバーレス技術は、私たちの身の回りにある様々なサービスで活用されています。
- Amazon:世界最大のECサイトであるAmazonは、自社のクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」でサーバーレスのサービスを提供しています。例えば、ウェブサイトの画像処理や、注文処理の裏側など、多くの機能でサーバーレス技術が使われており、急なアクセス増にも柔軟に対応できるようになっています。
- LINE:コミュニケーションアプリのLINEでは、ユーザーが送るメッセージの処理や、スタンプの管理、ボット(自動応答プログラム)の実行など、瞬間的に大量の処理が必要となる部分でサーバーレスが活用されています。これにより、安定したサービス提供と効率的な運用を実現しています。
- メルカリ:フリマアプリのメルカリでは、商品の出品や購入、検索といった機能の一部でサーバーレス技術が導入されています。これにより、ユーザーのアクセス状況に応じてシステムを柔軟に拡張・縮小でき、快適な利用体験を提供しています。
覚えておくポイント
一般のビジネスパーソンがサーバーレスについて覚えておくと良いポイントはいくつかあります。
- コスト効率の向上:ITサービスを開発・運用する際、「使った分だけ支払う」というサーバーレスの考え方は、無駄なコストを削減し、事業の効率化に役立ちます。特に、サービスの利用状況に波がある場合に、このメリットは大きいです。
- 開発スピードの加速:サーバーの管理に時間を取られないため、新しいアイデアを素早く形にし、市場に投入できるようになります。これは、変化の速い現代ビジネスにおいて、競争力を保つ上で非常に重要な視点です。
- IT部門との連携:自社のIT部門や外部のITベンダーと話す際に、「サーバーレス」という言葉が出てきたら、それは「運用コストを抑えたい」「開発を早く進めたい」といった意図がある可能性が高いです。この技術が持つメリットを理解していると、より建設的な議論ができるでしょう。