MBO(経営陣による買収)とは?
MBO(エムビーオー)とは、「Management Buyout(マネジメント・バイアウト)」の略で、日本語では「経営陣による買収」と訳されます。これは、その会社の経営を任されている社長や役員といった人たちが、今いる株主から自分たちの会社の株を買い取って、会社のオーナーになることを指します。
例えるなら、長年働いてきたお店の店長が、そのお店のオーナーからお店そのものを買い取り、完全に自分のお店として経営していくようなイメージです。これによって、経営陣は株主の顔色をうかがうことなく、自分たちが本当に良いと思う経営方針を、より自由に、そして長い目で実行できるようになります。
なぜ今、話題なの?
MBOが注目される背景には、いくつかの理由があります。
一つは、会社を「非公開化」する目的です。株式を公開している会社(上場企業)は、株主の期待に応えるため、短期的な業績や株価に常に気を配る必要があります。しかし、MBOで株式を買い取って非公開化すれば、そうしたプレッシャーから解放され、目先の利益にとらわれず、数年、数十年先を見据えた大胆な改革や投資を進めやすくなります。
また、事業承継 [blocked]の手段としても使われることがあります。例えば、創業者が引退を考えているが、後継者が見つからない場合、今の経営陣がMBOで会社を引き継ぐことで、事業を継続させることができます。
さらに、親会社からの独立というケースもあります。大企業の子会社が、MBOによって親会社から独立し、独自の戦略で成長を目指すこともあります。
どこで使われている?
MBOは、様々な業種の企業で行われています。
例えば、近年では、東芝が2023年にMBOを実施し、非上場化しました。これは、短期的な株価の変動に左右されず、中長期的な視点で企業価値の向上を目指すための戦略的な判断とされています。
他にも、かつては、家電量販店のコジマが2006年にMBOを行い、非上場化して経営改革を進めた事例や、学習塾の栄光ゼミナールを運営する栄光ホールディングスが2017年にMBOを実施し、非上場化した事例などがあります。これらの企業は、MBOを通じて、株主からの短期的な業績プレッシャーから離れ、事業の立て直しや抜本的な改革に取り組むことを選びました。
覚えておくポイント
MBOは、経営陣が会社のオーナーになることで、より自由で長期的な視点での経営が可能になるというメリットがあります。しかし、買収には多額の資金が必要となるため、金融機関からの借り入れや投資ファンドからの出資を受けることが一般的です。
このため、MBO後も、借り入れの返済や投資家へのリターンを意識した経営が求められることになります。MBOは、会社が新たな成長戦略を描くための重要な選択肢の一つとして、今後も注目されるでしょう。