ダークソーシャルとは
ダークソーシャルとは、ウェブサイトのアクセス解析ツールでは追跡しにくい、個人的なやり取りの中で情報が共有される現象のことです。例えば、友達に面白い記事のURLをLINEで送ったり、家族に商品の情報をメールで教えたりするような場合がこれにあたります。ウェブサイト側から見ると、どこからアクセスしてきたのかが「直接アクセス」と表示されてしまい、共有の経路が分からなくなるため、「ダーク(暗闇)」という名前がついています。
例えるなら、誰かが美味しいお店の情報をSNSでシェアすれば、それはみんなに見える「明るい情報共有」です。でも、その情報を気に入った人が、さらに友達に直接メッセージで「このお店いいよ!」と教えるのは、お店側からは見えない「人知れず広がる情報共有」であり、これがダークソーシャルです。口コミがデジタル上で密かに行われているようなイメージですね。
なぜ今、話題なの?
今、ダークソーシャルが話題になっているのは、スマートフォンの普及とチャットアプリの利用が爆発的に増えたからです。LINEやWhatsApp、Facebook Messengerなどのメッセージアプリは、友達や家族との日常的なコミュニケーションに欠かせないツールとなっています。これにより、人々が興味を持った情報を気軽に、そして個人的な空間で共有する機会が格段に増えました。
例えば、ある調査によると、ウェブサイトへのアクセス経路のうち、ダークソーシャル経由が全体の60%以上を占めることもあると言われています。これは、企業が広告やSNSでどんなに情報を発信しても、その後の「人から人への共有」という重要な部分が見えていないことを意味します。一般のビジネスパーソンにとっては、自分の会社の製品やサービスが、知らぬ間に個人的なやり取りで広まっている可能性がある、ということを理解しておく必要があります。この見えない部分をどう捉え、どう活用するかが、これからのマーケティング戦略を考える上で非常に重要になっているのです。
どこで使われている?
ダークソーシャルは「使われている」というよりは「発生している」現象ですが、企業はこの見えない共有を意識した戦略を立てています。具体的な例を挙げます。
- ニュースメディアやブログサイト:読者が記事を簡単に共有できるよう、記事内にLINEやメールで送るボタンを設置しています。これにより、ダークソーシャルでの共有を促し、より多くの人に記事が読まれるきっかけを作っています。例えば、Yahoo!ニュースの記事には「LINEで送る」ボタンがよく見られます。
- ECサイト(ネット通販):購入した商品や気になった商品を友達に教えやすいように、商品ページに共有ボタンを設けています。Amazonや楽天などの大手ECサイトでは、商品のURLをコピーしたり、メッセージアプリで直接送ったりする機能が充実しており、これがダークソーシャルでの情報拡散につながっています。
- 動画配信サービス:面白い動画やおすすめの番組を友達に教える際に、動画のURLをメッセージで共有することがよくあります。YouTubeやNetflixなどのサービスは、ユーザーがコンテンツを簡単に共有できる仕組みを提供しており、これもダークソーシャルを通じてコンテンツが広まる一因となっています。
覚えておくポイント
一般のビジネスパーソンがダークソーシャルについて覚えておくと良いポイントはいくつかあります。
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「口コミ」の重要性を再認識する
デジタル時代においても、結局は「人から人への口コミ」が最も強力な情報伝達手段であることを理解しておくことが大切です。SNSでの拡散だけでなく、個人的なメッセージでの共有が、購買や行動に大きな影響を与えることがあります。自分の会社の製品やサービスが、誰かに「おすすめ」してもらえるような魅力があるか、常に意識することが重要です。
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共有しやすいコンテンツ作りを心がける
誰かに「教えたい」「共有したい」と思ってもらえるような、価値のあるコンテンツ作りを意識しましょう。例えば、役立つ情報、感動的なストーリー、面白い動画などは、メッセージアプリで共有されやすい傾向にあります。コンテンツを作る際に、「これは友達に送りたいと思ってもらえるだろうか?」という視点を持つと良いでしょう。
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ダークソーシャルを完全に追跡することは難しいと知る
ダークソーシャルは、その性質上、完全にアクセス経路を追跡することは困難です。そのため、ウェブサイトのアクセス解析データだけで全てを判断するのではなく、「見えない部分でも情報が広まっている」という可能性を考慮に入れて、総合的にマーケティング施策を評価することが大切です。例えば、特定のキャンペーン後に直接アクセスが増えた場合、それはダークソーシャル経由のアクセスである可能性も考えられます。