シェアードサービスとは
シェアードサービスとは、企業グループ内にある複数の会社や部署で共通して行われる経理、人事、総務、情報システムといった定型的な業務を、一つの専門部署に集約し、集中的に処理する経営手法です。この専門部署は「シェアードサービスセンター(SSC)」と呼ばれます。
たとえば、ある企業グループにA社、B社、C社という3つの子会社があったとします。それぞれの子会社で経理部が給与計算や請求書処理を行っている場合、同じような業務が3箇所で重複して行われていることになります。これを、グループ全体で一つのシェアードサービスセンターがまとめて担当することで、業務の重複をなくし、効率化を図るのがシェアードサービスです。
なぜ今、話題なの?
シェアードサービスは、主に以下のような理由から、多くの企業で注目されています。
- コスト削減: 複数の部署や会社で重複していた業務を一つにまとめることで、人件費やシステム費用などのコストを削減できます。専門部署が効率的に業務を行うため、全体として必要な人員を減らせる場合があります。
- 業務の標準化と効率化: 業務プロセスを統一し、標準化することで、品質のばらつきをなくし、効率を高めることができます。特定の業務に特化した専門部署がノウハウを蓄積し、より迅速かつ正確に業務を処理できるようになります。
- 専門性の向上: 経理や人事といった専門業務に特化した部署を設けることで、その分野の専門知識やスキルを持つ人材を育成しやすくなります。これにより、業務の質が向上し、より高度なサービスを提供できるようになります。
- 経営資源の集中: 各事業部門は、共通業務から解放されることで、本来の事業活動やコア業務に経営資源を集中できるようになります。これにより、企業の競争力強化につながると考えられています。
どこで使われている?
シェアードサービスは、特に大企業や複数の子会社を持つ企業グループで広く導入されています。製造業、金融業、サービス業など、業種を問わず多くの分野で見られます。
例えば、ある大手電機メーカーでは、グループ内の各事業会社で行っていた経理業務を、一つのシェアードサービスセンターに集約しました。これにより、全国各地に分散していた経理部門の人員を最適化し、グループ全体の経理業務の効率化とコスト削減を実現したとされています。
また、人事関連業務(給与計算、社会保険手続き、福利厚生など)や、情報システム関連業務(ヘルプデスク、システム運用・保守など)、総務関連業務(備品管理、施設管理など)でも、シェアードサービスが活用される事例が多く見られます。
覚えておくポイント
シェアードサービスは、企業経営の効率化と競争力強化に貢献する手法ですが、導入にはいくつかのポイントがあります。
- 対象業務の選定: どのような業務をシェアードサービス化するかを慎重に検討することが重要です。定型化しやすく、複数の部署で共通して行われている業務が適しています。
- サービスレベルの合意: シェアードサービスセンターが提供するサービスの範囲や品質(サービスレベル)について、利用する各部署や会社との間で明確な合意形成が必要です。
- ITシステムの活用: 効率的な業務処理には、適切なITシステムの導入が不可欠です。例えば、共通の会計システムや人事システムなどを活用することで、業務の自動化やデータの一元管理が進みます。
- コミュニケーションと協力: シェアードサービスセンターと利用部門との間の円滑なコミュニケーションや協力体制が、成功の鍵となります。導入後も継続的な改善が求められます。
シェアードサービスは、単なるコスト削減だけでなく、企業グループ全体の業務品質向上や専門性強化を目指すための戦略的な取り組みとして位置づけられています。