プロティアン・キャリアとは?
「プロティアン・キャリア」という言葉、最近よく耳にするけれど、一体どういう意味だろう?そう思っている方も多いのではないでしょうか。
簡単に言うと、これは「会社に言われた通りに働く」のではなく、「自分で自分のキャリア(仕事人生)をデザインし、変化に合わせて柔軟に形を変えていく」という考え方のことです。
まるでギリシャ神話に出てくる、どんな姿にも自由自在に変われる神様「プロテウス」のように、私たち自身の働き方も、時代や状況に合わせてどんどん進化させていこう、というメッセージが込められています。
これまでの働き方は、一つの会社に長く勤めて、そこで出世していくのが一般的でした。しかし、プロティアン・キャリアでは、会社や組織に頼り切るのではなく、自分自身の「やりたいこと」や「得意なこと」を軸に、必要なスキルを学び、時には転職や独立も視野に入れながら、自分らしく働き続けることを大切にします。
なぜ今、話題なの?
このプロティアン・キャリアが注目されるようになった背景には、世の中の大きな変化があります。
まず、テクノロジーの進化がものすごいスピードで進んでいます。AI(人工知能)やロボットの登場で、これまで人がやっていた仕事がなくなったり、新しい仕事が生まれたりしています。例えば、数年前には想像もできなかったような「AIの学習データを作る仕事」や「オンライン会議のサポート」といった職種が今では当たり前になっていますよね。
また、グローバル化が進み、海外の企業との競争も激しくなっています。企業も、常に新しい価値を生み出していかないと生き残れません。そのため、社員にも「言われたことをやるだけでなく、自分で考えて行動し、新しいことに挑戦する力」が求められるようになりました。
さらに、人生100年時代と言われるようになり、定年後も長く働き続けることが一般的になりつつあります。一つの会社で働き続けるのが難しくなったり、もっと自分らしく働きたいと考える人が増えたりしたことも、この考え方が広まった理由です。
どこで使われている?
プロティアン・キャリアという考え方は、特定の企業やサービスで使われているというよりも、現代のビジネスパーソン全体のキャリア形成の指針として広く認識されています。
例えば、リクルートやパーソルキャリアといった人材サービス企業では、個人のキャリア相談において、転職先を探すだけでなく、その人が本当に何をしたいのか、どんなスキルを身につけたいのかといった、より本質的なキャリアプランを一緒に考える際に、このプロティアン・キャリアの考え方がベースになっています。
また、多くの企業が社員の「リスキリング(新しいスキルを学ぶこと)」を支援する動きも、この考え方とつながっています。例えば、ソフトバンクグループでは、社員が新しい技術やビジネススキルを学ぶための研修プログラムを用意したり、社内で新しい事業アイデアを募集したりすることで、社員が変化に対応できる力を育んでいます。
個人レベルでは、会社に頼らず、自分でスキルアップのためにオンライン学習サービス(例:Udemy、Schoo)を利用したり、副業に挑戦したりする人も増えています。これらも、まさにプロティアン・キャリアを実践していると言えるでしょう。
覚えておくポイント
プロティアン・キャリアで大切なのは、次の3つのポイントです。
- 「自分で決める」こと:会社や上司に任せきりにせず、自分の「こうなりたい」という目標や価値観をしっかり持つこと。
- 「学び続ける」こと:世の中の変化に合わせて、新しい知識やスキルを積極的に学ぶこと。オンライン講座や書籍、セミナーなど、学びの場はたくさんあります。
- 「柔軟に変化する」こと:時には、これまでと違う職種に挑戦したり、働き方を変えたりすることも恐れない勇気を持つこと。
これは、決して「すぐに転職しろ」という意味ではありません。今の会社で働きながらも、自分のスキルアップに励んだり、部署異動で新しい経験を積んだりすることも、立派なプロティアン・キャリアの実践です。変化の激しい時代を自分らしく生き抜くための、心強い考え方として、ぜひ覚えておいてください。