リスクマネジメントとは?
「リスクマネジメント」という言葉、最近よく耳にしませんか? 簡単に言うと、これは会社や組織が「困ったこと」や「悪いこと」が起きるのを防ぎ、もし起きてしまっても被害を最小限に抑えるための活動全般を指します。
例えるなら、遠足に行く前に「雨が降ったらどうしよう」「道に迷ったらどうしよう」とあれこれ考えて、雨具を用意したり、地図を準備したりするのと同じです。会社の場合は、もっと大きな規模で、例えば「システムが故障したらどうなるか」「情報が漏れてしまったら大変だ」といったことを事前に予測し、対策を立てておくわけです。
この取り組みによって、会社は安心して事業を続けられるようになります。まさに「転ばぬ先の杖」のような大切な考え方なのです。
なぜ今、話題なの?
現代社会では、会社を取り巻く環境がどんどん複雑になっています。インターネットの普及で「情報漏洩」のリスクが高まったり、地球温暖化の影響で「自然災害」が増えたり、世界情勢の変化で「経済的な影響」を受けやすくなったりと、会社が直面する「困ったこと」の種類も数も増えています。
例えば、2020年以降に世界中で広がった新型コロナウイルス感染症は、多くの企業に事業の停止や働き方の変化を強いました。このような予期せぬ事態が起こった際でも、事前にリスクを想定し、対策を立てていた企業は、比較的スムーズに対応できたケースも少なくありません。
また、企業には社会的な責任が求められるようになり、環境問題や人権問題など、これまであまり意識されなかったリスクにも目を向ける必要が出てきました。そのため、会社を安定して成長させるためには、リスクマネジメントが欠かせない、と注目されているのです。
どこで使われている?
リスクマネジメントは、実は私たちの身の回りのあらゆる場所で活用されています。
・会社全体で: 大手企業では、経営戦略の一環として「事業継続計画(BCP)」を策定しています。これは、地震や台風などの災害、システム障害などが起きても、会社が重要な事業を続けられるようにするための計画です。例えば、トヨタ自動車では、災害時に部品供給が滞らないよう、複数のサプライヤーと契約したり、在庫を分散させたりする対策をとっています。
・ITの分野で: 企業の情報システムを守るための「情報セキュリティマネジメント」もリスクマネジメントの一種です。不正アクセスやウイルス感染から顧客情報や会社の機密情報を守るために、ファイアウォール [blocked]を導入したり、従業員への教育を行ったりします。NTTデータなどのIT企業では、顧客のシステムを守るために厳重なセキュリティ対策を講じています。
・プロジェクトの現場で: 新しい製品を開発したり、大きなイベントを企画したりする際にも、プロジェクトがスムーズに進むよう、どんな問題が起きそうか、どう対処するかを事前に話し合います。例えば、東京オリンピックのような大規模なイベントでは、テロ対策や交通渋滞、感染症対策など、膨大なリスクを想定し、綿密な計画が立てられました。
覚えておくポイント
リスクマネジメントは、単に「悪いことを避ける」だけでなく、「悪いことが起きても、早く立ち直る」ための準備でもあります。大切なのは、完璧にリスクをなくすことではなく、どんなリスクがあるかを理解し、それに対して現実的な対策を立てておくことです。
「もしかしたら、こんなことが起きるかも?」と想像力を働かせ、事前に備えておく。この考え方が、会社だけでなく、私たち自身の生活にも役立つはずです。
例えば、スマートフォンの故障に備えてバックアップ [blocked]を取っておく、災害に備えて非常食を用意しておく、といったことも、広い意味ではリスクマネジメントと言えるでしょう。