サプライチェーン強靭化とは?
「サプライチェーン強靭化(きょうじんか)」とは、製品の材料を仕入れるところから、工場で製品を作り、お店に並べて、最終的にお客様の手に届くまでの、一連の流れ(これを「サプライチェーン」と呼びます)を、どんな困難があっても途切れないように、強くしなやかにすることです。
例えるなら、一本の細い橋ではなく、複数の頑丈な橋をかけたり、もし橋が壊れても迂回路があるように準備しておくようなイメージです。
なぜ今、話題なの?
この言葉が最近よく聞かれるようになったのは、世界中で様々な「もしも」の事態が起こったからです。
例えば、2020年からの新型コロナウイルス感染症の流行では、世界中の工場が一時的に止まったり、飛行機や船の動きが制限されたりしました。その結果、半導体や自動車部品、さらにはトイレットペーパーのような日用品まで、多くのものが手に入りにくくなりました。記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。
また、国際的な紛争や自然災害、サイバー攻撃なども、サプライチェーンを途絶えさせる原因になります。このような経験から、企業は「一つの場所や一つの方法に頼りすぎると危険だ」と気づき、どんな状況でも製品を安定して供給できるように、サプライチェーンを強くする取り組みを進めているのです。
どこで使われている?
サプライチェーン強靭化は、あらゆる業界で重要なテーマとなっています。
例えば、自動車業界では、トヨタ自動車が部品の調達先を複数に増やしたり、在庫を適切に管理したりすることで、災害時にも生産を続けられるように工夫しています。半導体不足の教訓から、より安定した部品供給体制を築こうとしています。
食品業界でも、日清食品ホールディングスは、原材料の調達先を多様化したり、国内生産体制を強化したりすることで、災害や国際情勢の変化があっても、カップ麺などの商品を安定して届けられるように努めています。
このように、多くの企業が、お客様に迷惑をかけないよう、そして自社の事業を守るために、この「サプライチェーン強靭化」に力を入れているのです。
覚えておくポイント
サプライチェーン強靭化は、単に「在庫をたくさん持つ」ということだけではありません。ポイントは次の3つです。
- 「もしも」に備える: 災害やトラブルが起こる可能性を予測し、対策を立てておくこと。
- 多様な選択肢を持つ: 材料の仕入れ先や、製品を運ぶ方法などを、一つに絞らず、複数の選択肢を持っておくこと。
- 情報共有と協力: サプライチェーンに関わる会社同士が、普段から情報を共有し、いざという時に協力し合える関係を築いておくこと。
これらの取り組みによって、企業は予期せぬ事態が起きても、お客様に製品やサービスを安定して提供し続けることができるようになります。