サイバーレジリエンスとは?サイバー攻撃から回復する力

サイバーレジリエンスとは、サイバー攻撃やシステム障害が発生しても、業務を維持し、迅速に復旧する能力のことです。企業や組織が事業を継続するために不可欠な考え方として注目されています。

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サイバーレジリエンスとは

サイバーレジリエンスとは、企業や組織がサイバー攻撃やシステム障害などのセキュリティインシデントに直面した際に、その影響を最小限に抑え、業務を継続し、迅速に復旧する能力を指します。レジリエンス(Resilience)は「回復力」や「弾力性」を意味する言葉です。つまり、サイバーレジリエンスは、サイバー空間における「しなやかな回復力」と言えます。

従来のサイバーセキュリティ [blocked]対策は、サイバー攻撃を「防ぐ」ことに重点が置かれていました。しかし、サイバー攻撃の手法が高度化・巧妙化する中で、どんなに強固な対策を講じても攻撃を完全に防ぎきることは非常に困難になっています。そこで、攻撃を受けることを前提とし、被害を前提とした上で、いかに早く正常な状態に戻すか、業務を止めないかという視点が重要視されるようになりました。

なぜ今、話題なの?

サイバーレジリエンスが今、注目されている主な理由は以下の通りです。

  1. サイバー攻撃の高度化と増加ランサムウェア [blocked]攻撃やサプライチェーン攻撃 [blocked]など、企業活動に甚大な影響を与えるサイバー攻撃が世界的に増加し、その手口も巧妙化しています。攻撃を完全に防ぐことが困難になったため、攻撃後の対応がより重要になっています。
  2. DX(デジタルトランスフォーメーション) [blocked]の加速:多くの企業でDXが進み、業務のデジタル化やクラウドサービスの利用が拡大しています。これにより、システム障害やサイバー攻撃が事業全体に与える影響が大きくなっています。
  3. 事業継続性の確保:パンデミックや自然災害だけでなく、サイバー攻撃も事業継続を脅かす主要なリスクとして認識されるようになりました。企業は、いかなる事態においても事業を継続するための計画を立てる必要があり、サイバーレジリエンスはその中核をなします。

どこで使われている?

サイバーレジリエンスという考え方は、主に以下のような分野や組織で導入・検討されています。

  • 金融機関:システム停止が直接的な損害や社会的な混乱につながるため、厳格なサイバーレジリエンス対策が求められます。金融庁も金融機関に対して、サイバーレジリエンスの強化を促しています。
  • 重要インフラ事業者:電力、ガス、水道、交通、通信などの重要インフラは、国民生活や経済活動の基盤であり、サイバー攻撃による停止は社会全体に大きな影響を与えます。そのため、これらの事業者では、攻撃を受けてもサービスを維持・復旧させるための取り組みが不可欠です。
  • 一般企業:業種を問わず、顧客情報や機密情報を扱う企業、オンラインでのサービス提供が主軸となる企業では、サイバー攻撃による事業停止は信用失墜や売上減少に直結します。そのため、IT部門だけでなく経営層も巻き込んだ形で、サイバーレジリエンスの強化が進められています。

覚えておくポイント

サイバーレジリエンスを考える上で、以下のポイントを覚えておくと良いでしょう。

  • 攻撃を「防ぐ」だけでなく「回復する」視点:従来のサイバーセキュリティが「予防」に重点を置いていたのに対し、サイバーレジリエンスは「予防」「検知」「対応」「復旧」という一連の流れ全体、特に「対応」と「復旧」に焦点を当てます。
  • 事業継続計画(BCP)との関連:サイバーレジリエンスは、災害時などあらゆるリスクから事業を守るための事業継続計画(BCP)の一部として位置づけられることが多く、密接に関係しています。
  • 経営層の関与が不可欠:サイバーレジリエンスの強化は、単なるIT部門の課題ではなく、企業全体の事業継続に関わる経営戦略です。そのため、経営層がリスクを理解し、適切な投資と意思決定を行うことが成功の鍵となります。
  • 定期的な訓練と見直し:サイバー攻撃の手法は常に進化するため、サイバーレジリエンス対策も一度構築したら終わりではありません。定期的な訓練を実施し、計画や体制を継続的に見直すことが重要です。