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ジョブ型雇用とは?職務内容を明確にし成果で評価する働き方

ジョブ型雇用とは、職務内容、責任、求められる成果を明確に定義した「ジョブディスクリプション」に基づき、その職務に最適な人材を配置する雇用形態のことです。

2026年3月17日2 閲覧ジョブ型雇用

ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用とは、従業員が担う職務内容、責任範囲、および求められる成果を具体的に記述した「ジョブディスクリプション(職務記述書)」に基づいて、人材を採用・配置し、評価する雇用形態を指します。従来の日本企業に多く見られたメンバーシップ型雇用が、新卒一括採用で人材を育成しながら長期的に雇用する「人に仕事をつける」考え方であるのに対し、ジョブ型雇用は「仕事に人をつける」という考え方が根底にあります。これにより、個々の従業員は自身の専門性を最大限に活かし、企業は必要なスキルを持つ人材を必要なポジションに配置することが可能になります。

なぜ重要なのか

現代のビジネス環境は、デジタル化の加速やグローバル競争の激化により、変化のスピードが増しています。このような状況下で企業が競争力を維持・向上させるためには、特定の専門スキルを持つ人材を迅速に確保し、高い生産性を実現することが不可欠です。ジョブ型雇用は、職務内容を明確にすることで、従業員一人ひとりの専門性を高め、組織全体の生産性向上に直結します。また、成果主義に基づいた評価は、従業員のモチベーション向上にもつながります。

近年、日本企業においてもジョブ型雇用の導入が加速しており、日本経済団体連合会が2020年に発表した「2020年版 経営労働政策特別委員会報告」では、約60%の企業が何らかの形で職務給制度を導入または検討していると報告されています。これは、専門性の高い人材の確保や、多様な働き方への対応、そしてグローバルスタンダードへの適合といった観点から、その重要性が高まっていることを示しています。

実際の導入事例

富士通

富士通は、2020年度から国内グループ会社全体でジョブ型雇用への移行を本格化させました。従来の年功序列型賃金体系を廃止し、職責と成果に応じた報酬体系を導入。これにより、社員の専門性を明確化し、デジタル変革(DX)を推進する人材の育成と確保を強化しています。同社は、この制度移行により、社員の自律的なキャリア形成を促し、グローバル競争力を高めることを目指しており、実際にDX関連プロジェクトにおける人材配置の最適化や、若手社員の早期抜擢などが進んでいます。

日立製作所

日立製作所もまた、2020年から国内の幹部社員を対象にジョブ型人事制度を導入しました。グローバルで統一された職務等級制度に基づき、職務内容と責任を明確にした上で、その職務に見合った報酬を支払う仕組みです。この制度は、グローバル市場での競争力を高めるため、世界中の優秀な人材が日立で活躍できる環境を整備することを目的としています。導入後、幹部層の専門性とリーダーシップが強化され、事業ポートフォリオの再編や新規事業創出において、より迅速な意思決定と実行が可能になったと評価されています。

資生堂

資生堂は、2021年1月から国内の全従業員を対象にジョブ型人事制度を導入しました。同社は「世界で勝てる日本企業」を目指し、社員一人ひとりの専門性と生産性を高めることを目的としています。職務記述書に基づき、個人の職務内容や責任範囲、期待される成果を明確にし、それに応じた評価と報酬制度を構築。この取り組みにより、社員のエンゲージメント向上と、イノベーション創出に向けた自律的な働き方の促進を図っています。特に、マーケティングや研究開発といった専門職において、個人の専門スキルがより正当に評価され、モチベーション向上につながっていると報告されています。

実務での活用ポイント

  1. ジョブディスクリプションの明確化: 職務内容、責任、必要なスキル、期待される成果を具体的に記述したジョブディスクリプションを整備することが成功の鍵です。これにより、採用ミスマッチを防ぎ、従業員も自身の役割を明確に理解できます。
  2. 評価制度と報酬体系の連動: 成果に基づいた公正な評価制度を構築し、その評価が報酬に明確に反映される仕組みを導入しましょう。これにより、従業員のモチベーションを高め、高いパフォーマンスを引き出すことができます。
  3. キャリア開発支援の強化: ジョブ型雇用では、従業員自身がキャリアを自律的に形成していく意識が重要です。企業は、リスキリングやアップスキリングの機会を提供し、従業員が自身の専門性を高め、市場価値を向上させるための支援を積極的に行うべきです。