ジョブ理論(Jobs to Be Done)とは
ジョブ理論とは、「お客様が商品やサービスを購入するのは、何かを『片付けたい』という目的があるからだ」と考える、マーケティングや商品開発の新しい視点です。お客様は単にモノを買うのではなく、自分の抱える課題や不満を解決するために、その商品やサービスを「雇っている」と捉えます。つまり、お客様が「どんな仕事(ジョブ)を終わらせたいのか」を深く理解することが重要だという考え方です。
例えるなら、私たちはドリルが欲しいのではなく、「壁に穴を開けたい」からドリルを買います。さらに言えば、穴を開けたいのは「絵を飾りたい」からかもしれません。ジョブ理論では、この「絵を飾りたい」という、お客様が本当に達成したいこと(ジョブ)に焦点を当てます。身近な例で言うと、カフェでコーヒーを買うのは、単に喉を潤したいだけでなく、「仕事の合間に気分転換したい」「友人とおしゃべりする場所が欲しい」といったジョブを片付けるため、と考えることができます。
なぜ今、話題なの?
現代はモノやサービスがあふれ、お客様のニーズが多様化しています。単に「良い製品を作れば売れる」という時代ではなくなり、企業は「お客様が本当に何を求めているのか」を深く理解する必要に迫られています。ジョブ理論は、お客様の表面的な要望だけでなく、その奥にある「根本的な欲求」や「解決したい課題」を見つけ出すための強力なツールとして注目されています。
この考え方を活用することで、企業は競合他社との差別化を図り、お客様にとって本当に価値のある商品やサービスを生み出すことができます。結果として、お客様の満足度を高め、長期的な関係を築くことにもつながるため、多くの企業がこの理論を取り入れ始めています。
どこで使われている?
ジョブ理論は、世界中の様々な企業で活用されています。
- トヨタ自動車:かつてトヨタは、若者向けの車として「サイオン」ブランドを展開しましたが、思うように売上が伸びませんでした。ジョブ理論の視点で見直すと、若者が車に求めていたのは単なる移動手段ではなく、「友人との交流の場」や「自分を表現する手段」といったジョブであることがわかりました。この学びを活かし、若者のライフスタイルに合わせた新しい車の開発や、購入後の体験を重視するマーケティングへとシフトしていきました。
- Netflix(ネットフリックス):動画配信サービスのNetflixは、競合を「他の動画配信サービス」だけでなく、「お客様の退屈な時間を埋めるもの」と捉えています。例えば、ゲームやSNS、読書などもお客様の「退屈を解消する」というジョブを奪い合う競合だと考え、その中でいかに顧客の時間を獲得するかを追求しています。この視点があるからこそ、パーソナライズされたおすすめ機能やオリジナルコンテンツの制作に力を入れているのです。
- Airbnb(エアビーアンドビー):宿泊施設を貸し借りするサービスであるAirbnbは、単に「安い宿を提供する」のではなく、「旅先で地元の人と交流したい」「非日常の体験をしたい」といったお客様のジョブに応えることを重視しています。ホテルでは得られないユニークな宿泊体験や、ホストとの交流の機会を提供することで、多くの利用者を獲得しています。
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覚えておくポイント
- お客様の「なぜ?」を掘り下げる視点を持つ:仕事でお客様と接するとき、「なぜこの商品やサービスを使いたいのか」「どんな困りごとを解決したいのか」と、一歩踏み込んで考えることで、お客様の本当のニーズが見えてきます。これは、営業や企画の場面で役立ちます。
- 自社のサービスを「お客様が雇っている理由」で考える:あなたが提供している商品やサービスが、お客様にとって「どんなジョブを片付けているのか」を考えてみましょう。そうすることで、改善点や新しい価値提供のヒントが見つかり、よりお客様に選ばれるサービスへと成長させることができます。
- 競合は「同じ業界」とは限らない:ジョブ理論では、お客様のジョブを解決するものはすべて競合になりえます。例えば、カフェの競合はコンビニコーヒーだけでなく、自宅でゆっくり過ごす時間や、職場の給湯室でお茶を飲むことかもしれません。この広い視野を持つことで、新しいビジネスチャンスを発見できることがあります。
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