フィッシュボーン図(特性要因図)とは?問題の原因を魚の骨のように整理する図

フィッシュボーン図(特性要因図)とは、ある問題がなぜ起きるのか、その原因を魚の骨のような形に整理して見つけ出すための図のことです。

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フィッシュボーン図(特性要因図)とは

フィッシュボーン図(特性要因図)は、ある「結果」(問題点や課題)に対して、それがなぜ発生したのか、考えられる「原因」を体系的に洗い出し、整理するための図解ツールです。その名の通り、魚の骨のような形をしていることから「フィッシュボーン図」と呼ばれます。また、結果を「特性」、原因を「要因」と捉えることから「特性要因図」とも呼ばれます。

この図では、まず右端に解決したい問題や達成したい目標(結果)を書き込みます。次に、その問題に影響を与えると考えられる主要な原因のカテゴリーを、大きな骨(大骨)としていくつか設定します。一般的には「4M」と呼ばれる「Man(人)」「Machine(設備)」「Material(材料)」「Method(方法)」の4つのカテゴリーが用いられることが多いですが、これに「Measurement(測定)」や「Environment(環境)」を加えて「5M1E」とすることもあります。ビジネスの現場では、これらのカテゴリーを「プロセス」「システム」「組織」「スキル」など、問題に合わせて柔軟に設定します。

そして、それぞれの主要なカテゴリー(大骨)に対し、さらに具体的な原因を中骨、小骨として書き込んでいきます。これにより、表面的な原因だけでなく、その奥にある根本的な原因まで掘り下げて特定しやすくなります。

なぜ今、話題なの?

フィッシュボーン図は、日本の品質管理の専門家である石川馨氏によって提唱され、製造業を中心に長年活用されてきました。近年、ビジネス環境の変化が早く、企業が抱える問題が複雑化する中で、表面的な現象に囚われずに問題の根本原因を特定する重要性が増しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX [blocked])の推進や業務プロセスの改善、顧客満足度の向上など、多岐にわたる課題に取り組む際、闇雲に解決策を講じるだけでは効果が出にくいことがあります。フィッシュボーン図は、チームで議論しながら原因を深掘りし、共通認識を持って根本的な対策を立てるための有効な手法として、改めて注目されています。

特に、データ分析だけでは見えにくい、人の行動や組織文化に起因する問題の原因を探る際にも、この図が役立つことが多く、業種を問わず活用が広がっています。

どこで使われている?

フィッシュボーン図は、主に以下のような場面で活用されています。

  • 製造業の品質管理: 製品の不良発生率が高い、特定の部品に不具合が多いといった問題の原因を特定し、改善策を検討する際に用いられます。例えば、「製品Aの不良品が多い」という問題に対し、「人(作業員のスキル不足)」「設備(機械の老朽化)」「材料(仕入れ品の品質変動)」「方法(作業手順の不適切さ)」といった大骨を設定し、具体的な原因を深掘りします。

  • サービス業の顧客満足度向上: 顧客からのクレームが多い、リピート率が低いといった問題の原因を分析する際に利用されます。例えば、「顧客満足度が低い」という問題に対し、「人(従業員の対応)」「プロセス(サービス提供の流れ)」「環境(店舗の雰囲気)」「システム(予約システム)」などのカテゴリーで原因を探ります。

  • ITプロジェクト管理: システム開発の遅延やバグの多発といった問題の原因を特定し、プロジェクトの改善に役立てます。例えば、「開発プロジェクトの遅延」という問題に対し、「人(スキル不足、要員不足)」「プロセス(開発手順、コミュニケーション不足)」「ツール(開発環境、ソフトウェア)」「要件(仕様の不明確さ)」といった視点で原因を洗い出します。

  • 業務プロセスの改善: 業務効率が悪い、特定の部署でミスが多いといった課題の原因を特定し、業務フローの見直しや改善策を検討する際に活用されます。例えば、「経費精算に時間がかかる」という問題に対し、「人(担当者の知識不足)」「方法(承認フローの複雑さ)」「システム(既存システムの使いにくさ)」「ルール(規定の不明確さ)」などの原因を深掘りします。

覚えておくポイント

フィッシュボーン図を活用する上で、以下のポイントを覚えておくと良いでしょう。

  • 問題の明確化: まず、解決したい問題や分析対象となる「結果」を具体的に、かつ明確に定義することが重要です。曖昧な問題設定では、適切な原因を特定できません。

  • 多角的な視点: 原因を洗い出す際は、様々な部署や立場の人々が参加し、多角的な視点から意見を出し合うことが効果的です。一人で考えるよりも、チームでブレインストーミング [blocked]を行うことで、より多くの原因を発見できます。

  • 深掘りの徹底: 表面的な原因で終わらせず、「なぜなぜ分析」のように「なぜそれが起きたのか?」と繰り返し問いかけることで、根本的な原因まで深掘りすることが重要です。

  • 客観的な事実に基づく: 推測や憶測だけでなく、データや客観的な事実に基づいて原因を特定するよう努めます。これにより、具体的な改善策につながりやすくなります。

フィッシュボーン図は、問題解決のための思考ツールであり、原因を特定した後は、その原因に対する具体的な対策を立案し、実行していくことが求められます。