PBR(株価純資産倍率)とは?
PBR(ピービーアール)は、「Price Book-value Ratio」の頭文字をとった言葉で、日本語では「株価純資産倍率(かぶかじゅんしさんばいりつ)」と言います。ちょっと難しい言葉に聞こえますが、簡単に言うと「もし今、会社を解散したら、株主にはいくら戻ってくるのか」という会社の価値と、今の株価を比べて、その株が「割安」なのか「割高」なのかを判断するための指標です。
会社には、建物や土地、現金、設備など、たくさんの財産があります。そこから借金などを差し引いた、純粋な会社の財産を「純資産」と呼びます。PBRは、この純資産を基準にして、株価がどれくらいの倍率になっているかを見るのです。
計算式は「株価 ÷ 1株あたりの純資産」となります。
たとえば、ある会社の「1株あたりの純資産」が1,000円だとします。もし、その会社の株価が500円だったら、PBRは0.5倍です。逆に株価が2,000円だったら、PBRは2倍になります。
PBRが1倍を下回るとどうなる?
PBRが1倍を下回るということは、株価が「1株あたりの純資産」よりも低い状態です。つまり、「会社が持っている純粋な財産を全部売って、借金を返して、株主に分配したら、今の株価よりも多くのお金が戻ってくる」という状態を意味します。
投資家から見ると、PBRが1倍を下回る会社は「割安」だと判断されることが多いです。なぜなら、会社が解散した方が、今の株価で株を売るよりも、株主は多くのお金を受け取れる可能性があるからです。そのため、PBRが1倍を下回る会社は、株価が本来の価値よりも低く評価されている、と見なされやすいのです。
なぜ今、話題なの?
最近、PBRという言葉をニュースなどでよく聞くようになったと感じる方もいるかもしれません。その背景には、東京証券取引所(東証)の動きがあります。
東証は2023年3月、上場している会社に対して、「資本コスト [blocked]や株価を意識した経営」を求める方針を出しました。特に、PBRが1倍を下回っている会社に対しては、株価を上げるための具体的な対策を考え、投資家に説明するように促しているのです。
これは、日本企業の株価が、海外の企業に比べて低い水準にあることが多いという課題意識から来ています。東証としては、PBRが低い会社に経営改善を促すことで、日本市場全体の魅力を高め、国内外の投資家からもっと資金が集まるようにしたいと考えているわけです。この動きを受けて、多くの日本企業がPBRの改善に力を入れ始めており、その結果、PBRという言葉が注目されるようになりました。
どこで使われている?
PBRは主に、株式投資をする際の会社の価値を測る指標として使われます。投資家は、PBRの数値を見て、その会社の株が「お買い得」かどうかを判断する材料の一つにします。
例えば、投資家は、同じ業界の会社同士でPBRを比較したり、その会社の過去のPBRの推移を見たりして、投資の判断材料にします。PBRが低い会社は、株価が割安だと見なされ、将来的に株価が上がる可能性があると期待されることがあります。
また、企業経営者もPBRを意識しています。PBRが低いと、株主から「もっと株価を上げる努力をしてほしい」というプレッシャーがかかることがあります。そのため、経営者は、自社のPBRを改善するために、利益を増やしたり、株主への還元(配当を増やすなど)を強化したりといった経営戦略を考える際の重要な指標としてPBRを見ています。
覚えておくポイント
- PBRは会社の「解散価値」と株価を比べる指標:会社が持っている純粋な財産(純資産)と比べて、今の株価が何倍になっているかを示します。
- 1倍を下回ると「割安」と見なされやすい:もし会社を解散したら、株主は今の株価よりも多くのお金が戻ってくる可能性がある、と判断されます。
- 東証がPBR1倍割れの改善を促している:日本企業の株価を上げるための取り組みとして、PBRが低い会社に改善を求めています。
PBRは、会社の価値を測るための大切な指標の一つですが、これだけで全てが決まるわけではありません。会社の将来性や業界の動向など、他の情報と合わせて総合的に判断することが重要です。