会計基準の変更とは?会社の成績表のルールが変わること

会計基準の変更とは、企業が事業の成績や財産状況を報告する際の計算ルールや表示方法が変わることで、投資家や取引先が会社を評価する基準に影響を与えます。

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会計基準の変更とは

会計基準の変更とは、企業が事業活動の結果を報告する際に従うべき「会計ルール」が変わることを指します。会社は、株主や投資家、銀行などの利害関係者に対して、会社の財政状態(どれくらいの財産があるか)や経営成績(どれくらい儲かったか)を「財務諸表」という形で報告する義務があります。この財務諸表を作成する際の計算方法や表示方法を定めているのが「会計基準」です。

例えるなら、会社が毎年発表する「成績表」の採点方法や記載ルールが変わるようなものです。このルールが変わると、同じ事業内容でも、成績表に記載される数字の見え方が変わることがあります。これにより、会社の利益や資産の評価が変わり、投資家や取引先が会社を評価する際の判断材料に影響を与えるため、非常に重要な出来事とされています。

会計基準には、日本国内で適用される「日本基準(J-GAAP)」のほか、国際的に広く使われている「国際会計基準(IFRS)」などがあります。これらは経済環境の変化や新しい取引形態の登場に合わせて、定期的に見直されたり、新しい基準が導入されたりします。

なぜ今、話題なの?

会計基準の変更は、経済のグローバル化や新しいビジネスモデルの登場に伴い、常に議論されています。特に近年話題になることが多いのは、国際会計基準(IFRS)の導入や、収益認識に関する新しい会計基準などです。

例えば、2021年4月1日以降に始まる会計年度から、日本の上場企業に「収益認識に関する会計基準」が適用されました。これは、企業がいつ、いくらの売上を計上するかというルールを、国際的な基準に合わせて見直したものです。この変更により、特に建設業やソフトウェア開発業など、契約期間が長く、複数のサービスを組み合わせるビジネスを行う企業では、売上の計上時期や金額が変わるケースが見られました。

また、上場企業が国際的な投資家から資金を調達しやすくするため、日本基準から国際会計基準(IFRS)へ移行する動きも続いています。IFRSは世界中で約140以上の国と地域で採用されており、異なる国の企業間での財務情報の比較を容易にする目的があります。これにより、海外の投資家が日本の企業に投資しやすくなるというメリットが期待されています。

どこで使われている?

会計基準は、主に上場企業や一定規模以上の企業が作成する財務諸表で使われています。具体的には、以下のような場面でその影響が見られます。

  1. 企業の財務報告書: 企業が株主や投資家向けに発行する決算短信や有価証券報告書には、会計基準に基づいて作成された財務諸表が掲載されます。これらの報告書を通じて、投資家は企業の経営状況を判断します。
  2. 投資家の企業分析: 投資家は、会計基準に沿って開示された財務諸表を基に、企業の収益性、安全性、成長性などを分析し、投資判断を行います。基準が変わると、過去のデータとの比較が難しくなったり、企業の評価が変わったりすることがあります。
  3. 銀行の融資判断: 銀行は企業にお金を貸す際、その企業の財務状況を詳しく調べます。会計基準の変更によって企業の財務状況の見え方が変わると、融資の可否や条件に影響を与えることがあります。
  4. M&A(企業の合併・買収): 企業が他の企業を買収する際、買収対象企業の価値を評価するために財務諸表を分析します。この際も、適用されている会計基準やその変更が評価に重要な影響を与えます。

覚えておくポイント

会計基準の変更について一般のビジネスパーソンが覚えておくべきポイントは以下の通りです。

  • 会社の「成績表」のルール変更: 会計基準の変更は、企業が外部に公表する財務情報、つまり会社の「成績表」の作り方が変わることを意味します。このルール変更によって、会社の利益や資産の金額がこれまでと異なる形で表示されることがあります。
  • 企業の評価に影響: 投資家や銀行、取引先は、この「成績表」を見て会社の価値や安定性を判断します。ルールが変わると、同じ会社でも評価が変わる可能性があるため、ニュースなどで話題になることがあります。
  • 国際的な統一化の動き: 世界中の企業が同じ土俵で比較できるよう、国際会計基準(IFRS)への移行や、国際的な基準に合わせた国内基準の見直しが進んでいます。これは、グローバルな経済活動において、企業の透明性を高めるための動きです。
  • 直接的な影響は限定的でも、間接的な影響は大きい: 一般のビジネスパーソンが日々の業務で直接会計基準の変更に触れることは少ないかもしれません。しかし、自社や取引先の評価が変わることで、事業戦略や資金調達、株価などに間接的な影響が出る可能性があるため、関連ニュースには注目しておくと良いでしょう。