手形(約束手形・為替手形)とは?将来の支払いを約束する証書

手形とは、将来の特定の日にお金を支払うことを約束する紙の証書や電子的な記録のことで、企業間の取引で使われる支払い方法の一つです。

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手形(約束手形・為替手形)とは

手形とは、将来の特定の日にお金を支払うことを約束する証書のことです。企業間の取引において、商品やサービスの代金をすぐに支払うのではなく、数ヶ月後に支払うといった場合に利用されます。この「将来の支払い約束」が書かれた紙、または電子的な記録が手形です。

手形には主に「約束手形」と「為替手形」の2種類があります。

  • 約束手形:お金を支払う人が、直接お金を受け取る人に対して、指定された期日に指定された金額を支払うことを約束するものです。最も一般的に使われる手形です。
  • 為替手形:お金を支払う人が、第三者(銀行など)に対して、お金を受け取る人に指定された金額を支払うように指示するものです。約束手形に比べて使われる機会は少ないですが、国際取引などで利用されることがあります。

手形を受け取った側は、期日が来たら銀行に持ち込むことで現金化できます。また、期日前に現金が必要になった場合は、割引料を支払って銀行などに買い取ってもらう「手形割引」という方法もあります。

なぜ今、話題なの?

近年、手形は「廃止」や「電子化」の動きが活発になっています。

経済産業省は、中小企業の資金繰り [blocked]円滑化や生産性向上を目的として、2026年をめどに約束手形を廃止する方針を打ち出しています。これは、紙の手形の発行や管理にかかる手間やコスト、紛失・盗難のリスク、さらには手形割引による資金繰りの負担といった課題を解決するためです。

代わりに推奨されているのが、インターネットバンキングなどを利用した「電子記録債権(でんさい)」や、銀行振込などのキャッシュレス決済です。これにより、企業はより安全で効率的な資金決済が可能になると期待されています。

どこで使われている?

手形は、主に企業間の取引、特に建設業や製造業、卸売業などで広く利用されてきました。これらの業界では、商品の仕入れから販売、代金回収までに時間がかかることが多く、その間の資金繰りを円滑にするために手形が使われてきました。

例えば、建設会社が資材メーカーから資材を仕入れる際、すぐに代金を支払うのではなく、「3ヶ月後に支払います」という約束手形を発行することがあります。資材メーカーはその手形を銀行に持ち込み、期日に現金化したり、期日前に割引して現金を得たりすることが可能です。

しかし、前述の通り、近年は電子記録債権(でんさい)への移行が進んでおり、紙の手形が使われる場面は減少傾向にあります。でんさいは、インターネット上で債権(お金を受け取る権利)を管理・譲渡できる仕組みで、紙の手形と同様の機能を持つ一方で、印紙税が不要、紛失リスクがないなどのメリットがあります。

覚えておくポイント

  • 将来の支払い約束:手形は、特定の日にお金を支払うことを約束する証書です。
  • 約束手形と為替手形:約束手形は支払う人が直接約束し、為替手形は第三者を通じた支払いを指示します。
  • 資金繰りの手段:企業が商品代金の支払いを先延ばしにしたり、期日前に現金化したりするために使われます。
  • 電子化への移行:紙の手形は、管理の手間やリスクがあるため、電子記録債権(でんさい)への移行が進められています。2026年を目途に約束手形は廃止される方針です。
  • リスク:手形には、支払期日に相手が倒産するなどして支払いが滞る「不渡り」のリスクがあります。不渡りを出すと、企業の信用に大きな影響が出ます。

手形は、かつて企業の資金繰りを支える重要な役割を担っていましたが、デジタル化の進展とともにその形を変えつつある支払い手段と言えます。